電子カルテの入れ替えは、医療機関にとってシステムだけでなく、ネットワーク環境全体を見直す大きな転機となります。
医療法人社団 家族の森 多摩ファミリークリニック様でも、電子カルテのリプレースに伴い、それまでベンダーが管理していたネットワーク機器を院内で管理する必要が生じました。しかし、長年の増設により複雑化したネットワーク構成は、配線や機器の接続状況が把握できない状態となっており、将来の運用やトラブル対応に大きな不安を抱えていました。
今回、ランテックではネットワーク環境をゼロから再設計。VLANによるネットワーク統合や配線整理に加え、ネットワーク構成図やIPアドレス管理表などの「見える化」を実施しました。専門知識がなくても理解・管理できる環境を整備したことで、日々の運用負担を軽減するとともに、将来的な拡張や障害対応にも安心して備えられるインフラを実現しています。
今回は、導入の経緯やランテックを選んだ理由、導入後の変化について、ネットワーク管理を担当されている多摩ファミリークリニック 総務 内村 絵美様に詳しくお話を伺いました。
| 企業名 | 医療法人社団 家族の森 多摩ファミリークリニック |
|---|---|
| 事業内容 | 地域に根ざした家庭医療を提供するクリニック。外来診療に加え、訪問診療にも力を入れ、地域医療を支えている。 |
| 従業員規模 | 約50名(常時勤務:約40名) |
| ネットワーク利用環境 | 約45台のパソコンに加え、電子カルテや各種医療機器がネットワークに接続。院内診療だけでなく訪問診療業務にもネットワークを活用している。 |
| 導入時期 | 2026年4月 |
| 導入のきっかけ | 電子カルテシステムの入れ替えに合わせて導入 |
| 施工内容 | 電子カルテ刷新に伴うネットワーク改修 |
| インフラ整備 | ネットワーク改善、配線の整理と可視化 |
| システム構築 | ビジネスフォンの設置と内線システム構築、コピー機導入、Wi-Fi構築 |
| 運用サポート | サポートセンターによる日常的な技術サポート |
電子カルテの入れ替えが、ネットワーク環境を見直すきっかけになりました
――ランテックにご相談いただく前は、どのような課題がありましたか?
多摩ファミリークリニック 総務 内村 絵美さん(以下、内村さん):
電子カルテの入れ替えが、ネットワーク環境を見直す大きなきっかけになりました。
それまで使用していた電子カルテシステムでは、ルーターやWi-Fiアクセスポイントをはじめ、院内のネットワーク機器やパソコンの設定まで、すべて電子カルテベンダーが管理していました。
しかし、電子カルテの入れ替えに伴い、それらの機器を返却する必要が生じたため、院内でネットワークやセキュリティをゼロから構築し管理しなければならなくなりました。これまで自院でネットワークを管理した経験がなかったこともあり、「どのような構成にすればよいのか」「セキュリティ対策をどうすべきか」といった課題が一気に表面化しました。
こうした状況を受け、日頃からお付き合いのある医療コンサルタントへ相談しました。
そこでランテックさんをご紹介いただき、まずは話を聞いてみようと思ったことが、今回のご縁の始まりでした。
ランテック株式会社 施工管理者 長嶋 卓也さん(以下、長嶋):
確か2026年3月くらいに、そのコンサルの方からお話いただき、ご訪問させていただきました。

導入の決め手は「対応スピード」と「提案の分かりやすさ」でした
――ランテックを選んでくださった決め手は?
内村さん:
一番の決め手は、対応のスピードと提案の分かりやすさでした。
電子カルテの切り替え期限が迫る中、2〜3月中に導入準備を進め、4月までに環境を整える必要があったため、「このままでは間に合わない」と感じていました。限られたスケジュールの中でも、ランテックさんはレスポンスが早く、こちらの状況に合わせて迅速に提案を進めてくださったため、安心して環境整備をお任せできました。
私たちはネットワークに関する専門知識があるわけではないため、自分たちで最適な構成を判断することはできません。
その点、ランテックさんは複数のプランを提示したうえで、それぞれの特徴やセキュリティレベル、違いを分かりやすく説明してくれました。そのおかげで、「このクリニックにはどのプランが適しているのか」を自分たちでも理解し、納得して選ぶことができました。また、「ネットワークにはさまざまな考え方や構成方法がある」ということを初めて知ることができ、専門知識がなくても安心して判断できたことが、大きな信頼につながりました。
――具体的にはどのような提案書でしたか?
内村さん:
特に印象的だったのは、UTM(※)をはじめとしたネットワーク機器について、「何を設置するか」だけではなく、「なぜ必要なのか」「どのような役割を担うのか」まで丁寧に説明していただけたことです。
以前にもUTMの導入について説明を受ける機会はありましたが、当時は知識が十分ではなく、内容を理解しきれないこともありました。そのため、自分で調べながら理解を深めることが多く、得た情報や、それに基づく判断が本当に正しいのか、不安を感じる場面もありました。
その点、ランテックさんでは、技術担当の方が専門用語も分かりやすく説明してくださり、機器の役割や必要性を十分に理解したうえで、導入を決めることができました。単に設備を提案するのではなく、私たちが「納得して選べる提案」をしていただけたことが、とても印象に残っています。
※UTM(統合脅威管理)とは、ファイアウォール・ウイルス検知・迷惑メール対策など、複数の異なるセキュリティ機能を1台の機器やシステムに統合し、ネットワークを一元管理する仕組みのこと。
初期費用だけではなく、ランニングコストまで考えた提案でした
――お見積り内容はどうでしたか?
内村さん:
正直なところ、ネットワーク機器の相場は分からなかったため、当初は金額に対する不安もありました。
しかし、医療コンサルタントにも見積書を確認していただき、市場価格と比較しても適正な内容であることが分かり、安心して検討を進めることができました。
また、ランテックさんは単にネットワーク機器を提案するだけではなく、電話回線を従来のISDNから光電話へ切り替えることで通信コストを削減できるなど、院内全体のコストバランスを考えた提案をしてくれました。
初期費用だけを見るのではなく、ランニングコストも含めてトータルで最適化する提案だったため、院内でも導入のメリットを説明しやすく、安心して導入を決断することができました。
ネットワークを一本化し、安心して使える環境になりました
――工事ではどのような点が印象に残っていますか?
内村さん:
今回の工事では、これまで別々に運用していた「医療用ネットワーク」と「スタッフ用ネットワーク」を一つのネットワークへ統合することが大きなテーマでした。
医療用ネットワークは電子カルテや医療機器専用だったため大きな不具合はありませんでしたが、以前からスタッフが利用するWi-Fiは接続が不安定で、使い勝手に課題がありました。
長嶋:
電子カルテをクラウド化するにあたり、通信環境が業務に与える影響はこれまで以上に大きくなるため、セキュリティを維持しながらネットワークを一本化できるかが重要なポイントでした。
弊社では、VLANを活用することで、それぞれのネットワークを論理的に分離しながら、一つのネットワーク機器で安全に運用できる環境を構築しました。また、クラウドシステムの利用拡大に伴いWi-Fi環境の重要性も高まりましたが、建物の構造上、電波が届きにくい場所についても現地調査を行い、アクセスポイントの追加設置など最適な改善提案をさせていただきました。

内村さん:
導入後はネットワークも非常に安定しており、大きなトラブルは発生していません。
――現地調査で印象に残っていることはありますか?
長嶋:
現地調査で特に印象に残ったのは、配電盤周辺の配線状況です。さまざまな機器の配線が複雑に入り組み、ネットワーク全体の構成や接続状況を把握することが難しい状態になっていました。
内村さん:
当院は2010年4月の開院以来、16年以上にわたって、電子カルテの更新やさまざまな医療機器の導入を行ってきました。
医療機器を導入する際は、それぞれの機器を担当するベンダーさんが設置や配線を行ってくださっていました。そのため、機器ごとの環境は整備されていたものの、院内のネットワーク全体を一元的に把握・管理する仕組みがなく、機器が増えるにつれて配線や接続状況が少しずつ複雑になっていきました。
その結果、トラブルが発生した際に、「どの配線がどこにつながっているのか」「ネットワークのどの部分を確認すればよいのか」が分からない状態になっていました。
ランテックさんは、現地調査の段階から一つひとつの配線や機器を丁寧に確認し、ネットワーク全体の構成を把握したうえで、最適な環境を提案してくれました。
今回の電子カルテの入れ替えをきっかけに、院内のネットワーク全体を把握し、適切に管理していくことの重要性を改めて実感しました。
今回の電子カルテの入れ替えをきっかけに、院内のネットワーク全体を把握し、適切に管理していくことの重要性を改めて実感しました。る環境を実現できました

――工事後のネットワーク環境は実際にどう変化しましたか?
内村さん:
工事後は、見た目がきれいになっただけでなく、日々の運用面でも安心感が生まれました。
以前は配線が複雑なうえ、機器や配線にラベルが付いていなかったため、トラブルが発生しても、どこを確認すればよいのか判断するのが難しい状態でした。私自身が対応に迷うこともあり、不在時に電話でスタッフへ対応をお願いする際も、確認してほしい機器や配線を具体的に伝えられず、スタッフも「本当にこれで合っているのか」と不安を抱えながら対応していました。
このように、誰にとっても分かりづらく、対応する人の負担になってしまう環境そのものに、大きな不安を感じていました。
現在は、機器や配線、接続状況が分かりやすく整理されています。万が一トラブルが発生した際も、担当者以外のスタッフが確認すべき箇所を把握し、初期対応を進めやすい環境が整ったことで、大きな安心につながっています。
ネットワークを構築するだけでなく、その全体像が「見える化」されたことで、今後の保守や機器の追加にも対応しやすくなりました。特定の担当者だけに依存せず、院内で管理・運用しやすい環境を整えられたことが、今回の導入における大きな成果だと感じています。
ベンダーとの橋渡しまで任せられる安心感があります
――ランテックを他社におすすめするとしたら、どのような企業に適していると思いますか?
内村さん:
今後は医療機関に限らず、AIやクラウドサービスの普及によって、どのような企業にとってもネットワークは業務を支える重要なインフラになっていくと思います。
一方で、システムやネットワークに関わるベンダーは複数存在するため、トラブルが発生した際に「どこへ連絡すればよいのか分からない」というケースも少なくありません。実際に当院でも、電子カルテや電話、ネットワークなどでそれぞれ担当会社が異なり、原因の切り分けが難しいと感じることがあります。
そのような中で、ランテックさんは単にネットワークを構築するだけでなく、各ベンダーとの調整役となり、全体を見ながら対応してくれる存在です。また、ネットワーク構成や機器の役割を分かりやすく説明してくれるため、専門知識がない担当者でも安心して運用できます。
すべてを任せきりにするのではなく、導入する側がネットワークについて理解し、自分たちで管理できるようにサポートしてくれることが、ランテックさんの大きな強みだと思います。
ネットワーク環境に不安を抱えている企業や、複数のベンダーとのやり取りに悩んでいる企業には、ぜひ一度、ランテックさんに相談してみることをおすすめします。
“おせっかい”が、お客様の安心につながると思います
――クリニックだからこそ、今後のランテックに期待することはありますか?
内村さん:
もちろん技術力は欠かせませんが、それ以上に大切なのは「人」だと思います。
専門知識がない立場でも、「何でも聞いていい」と思える安心感があることは、とても重要です。質問しやすい雰囲気があることで、不安を抱えたまま運用することがなくなります。
また、依頼された内容にそのまま対応するだけではなく、「なぜその要望があるのか」まで一歩踏み込んで確認し、私たち利用する側の立場に立って、最適な提案をしていただけることを期待しています。
AIの進化によって、情報を簡単に得られる時代になりました。しかし、その情報が自分たちの環境に本当に適しているのかを判断し、分かりやすく説明できるのは、現場を知るプロフェッショナルだからこそできることだと思います。
ランテックさんには、高い技術力に加え、私たち利用する側に寄り添い、一歩先まで考えて提案する“おせっかい”な姿勢を、これからも大切にしてほしいですね。そうした人間らしい対応こそが、これからの時代に選ばれ続ける理由になると感じています。


